on-ordの日記

土木遺産など、出先で見たもののメモです。

富隧道(岡山県小田郡矢掛町/倉敷市玉島)

県道35号富トンネルの旧トンネル。

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まずは隧道の西側より。現トンネル手前の分岐を少し行ったところにある。草で見えないが、トンネルの手前、ガードレールのあたりを川が流れていて、橋が架かっている。

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扁額には右書きで富隧道とある。

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昭和三十年四月竣功。

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隧道手前の橋。大渡川を渡る。いかにも昭和30年代の橋という感じがする。

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高欄の菱形の開口部に、なんとなく和を感じる。

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橋の上流に何かあるような気がして、来てみると砂防堰堤があった。

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空石積みのようです。人知れずあるが、綻びることもない。並々でない仕事をされていると思う。

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上流側はかなり土砂が堆積している。

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川沿いをゆくを道。すぐ右手を大渡川が流れており、先ほどの堰堤がある。

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ただ、植生が盛んなため道を通っていても全く気づかないだろう。たぶん年中見えないと思う。

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さて、隧道の東側へ来てみた。

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新トンネルの右奥に旧トンネルが潜んでいる。新旧横並びは全国的には珍しくないと思うが、岡山県では少ないような気がする。そもそも古い隧道が少ないからか。

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改めて、東側坑門。ポータルは西側と同様。扉は元から取れていた。

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少し見学させてもらった。内部の状況は悪くない。

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個人的には砂防堰堤にぐっと来ました。ただ建設時期はよくわからない。昭和20〜30年代頃か?セメント不足で空石積みのものも建設されていたそう。形状的には明治期ではないような気がするし。。。

撮影:2020/11/21