高松市街の西、峰山の山裾にある旧浄水場で、現在は高松市水道資料館となっている。高松市への近代水道として、大正10年に給水を開始した。喞筒場(そくとう)や事務所など6件が登録有形文化財に登録されている。喞筒場は近代土木遺産2800でもAランクに選定されているため、見学した。
敷地の北に駐車場があった。北門より施設へと向かう。
大正7年頃竣功の空石積み擁壁も文化財に登録されている。こういう昔の素晴らしい石積みってそこらへんにも結構あると思うんですが。なんかないとスポットライトが当たらんのですよね。
北門より。門柱も文化財に登録されている。扉は後付。手前にある建物が旧事務室で、奥に見えるのが旧喞筒場(ポンプ室)。
大正6年竣工の旧事務室の正面。塗り直されてだいぶvividではあるが、正面以外も素晴らしいので、自分的には全部正面みたいなもん。
内部を見学できる。特になにも置かれておらず、広々とした空間になっている。見学者には優しく、トイレも設置されていた。
とにかくこういう明治-大正期の洋風建物はとても好きだ。窓の格子の枠が広い部分から外燈が覗くのが、またいい。窓枠は木製で当時のものと思われるが、やはり元々こういう設計なのか。
旧事務室の向かいにあるのが旧喞筒場で資料館となっている。竣工は大正7年。
手前には水道の鋳鉄管とポンプが展示されている。これまた鋳物好きにはたまらん。ポンプは楠上町(高徳線栗林駅のへん)で深井戸の補助水源で昭和2年から使われていたもの。
中には、展示スペースがある。
半地下のポンプ室がある。
これまた煉瓦好きにはたまらん。
旧喞筒場、南側より。
入り口前には、高松城で出てきた江戸時代の井戸側(井戸の躯体みたいなもの)が移設展示されている。
建物はL字型。Lのトン先の方。
建物西面より。
旧事務室のすぐ西にある倉庫。
質素な造りだが、こちらも大正6年竣工の物件で、文化財に登録されている。
御殿水源地は、敷地の西側を流れる香東川の伏流水を取水しており、敷地の西の外れに煉瓦でできた集水渠の点検用マンホールがある。そちらも文化財に登録されている。見るのは忘れていた。とにかく洋風の建物やら煉瓦やら鋳鉄やら、好きな人には大変よろしいと思います。
撮影:2021/3/18